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MFCのダイアログでリターンキー、ESCキー押下で閉じない。

この記事は2019年02月28日に投稿しました。

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目次

  1. はじめに
  2. MFCのダイアログでリターンキー、ESCキー押下で閉じない
  3. おわりに

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1. はじめに

こんにちは、iOSのエディタアプリPWEditorの開発者の二俣です。
今回は業務で使用しているMFCのダイアログでリターンキー、ESCキー押下で閉じない方法についてです。

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2. MFCのダイアログでリターンキー、ESCキー押下で閉じない

MFCのダイアログですが、デフォルト動作としてリターンキー、ESCキーの押下で閉じる仕様になっています。 通常はこの仕様で問題ないと思いますが、時にはこの仕様で不都合がある場合もあると思います。 そのためMFCのダイアログでリターンキー、ESCキー押下で閉じない方法ですが、

  1. 該当のダイアログで、キーダウンメッセージを横取りするため、PreTranslateMessage関数をオーバーライドします。
  2. PreTranslateMessage関数で、キーダウンされたキーがリターンキーとESCキーの場合、何もせず処理済みにします。

という方法になります。

実装例

/**
 * @brief メッセージが処理される前に呼び出されます。
 *
 * @param [in] pMsg メッセージ
 * @return 処理を継続するかどうか TRUE:処理しない / FALSE:処理を継続する
 */
BOOL CSampleDlg::PreTranslateMessage(MSG* pMsg)
{
    // キーダウンメッセージの場合
    if (WM_KEYDOWN == pMsg->message)
    {
        switch (pMsg->wParam)
        {
        case VK_RETURN:
            // リターンキーが押下された場合、FALSEを返却し画面と閉じないようにします。
            return FALSE;

        case VK_ESCAPE:
            // ESCキーが押下された場合、FALSEを返却し画面と閉じないようにします。
            return FALSE;

        default:
            // 上記以外、何もしません。
            break;
        }
    }

    // 親クラスの関数を呼び出します。
    return CDialog::PreTranslateMessage(pMsg);
}

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3. おわりに

業務で設定画面をダイアログ画面で作成した時の話です。
いくつかのカテゴリ別の設定項目があるため、タブコントールで設定項目を切り替えられるようにしました。
その際、タブ上の入力項目でエンターキーを押下すると、そのタブの表示項目が消えてしまう現象がありました。

いろいろ調べてみると、エンターキーを押下した際、タブとして張り付けた画面が閉じてしまっているようでした。
そのため各タブに張り付ける画面はエンターキー、ESCキーで閉じないようにしました。 しかしこのままだと、エンターキー押下で設定画面が閉じなくなってしまいました。
そこで設定画面自体にも今回の処理をいれて、エンターキー、ESCキー押下で閉じる様にしました。

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