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SwiftのUITextViewでキャレットを1行下に移動する。

この記事は2019年02月02日に投稿しました。

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目次

  1. はじめに
  2. SwiftのUITextViewでキャレットを1行下に移動する
  3. おわりに

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1. はじめに

こんにちは、iOSのエディタアプリPWEditorの開発者の二俣です。
PWEditorで使用しているSwiftのUITextViewでキャレットを1行下に移動する方法についてです。

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2. SwiftのUITextViewでキャレットを1行下に移動する

SwiftのUITextViewでキャレットを1行下に移動する方法ですが、以下のような手順になります。

  1. キャレットの現在位置を取得します。
  2. 文の全行をチェックし、キャレットがどの行にあるか求めます。
  3. 対象行に対し、対象行での位置を求めます。
    対象行の処理が完了したことを示すフラグ(完了フラグ)を設定しておきます。
  4. 完了フラグが設定されている場合、対象行の次の行として処理します。 対象行での位置が次行の長さによりオフセット位置を求めます。 対象行での位置が次行の長さより短い場合、次行で対象行での位置と同じ位置をオフセットとします。 対象行での位置が次行の長さより長い場合、次行の行末位置をオフセットとします。
  5. キャレットをオフセット分移動します。

キャレットの現在位置の取得は

paveway.hatenablog.com

で紹介したメソッドを使用します。

import UIKit
...
var textView: UITextView!
...
guard let range = textView.selectedTextRange else {
    // 範囲が取得できない場合、終了します。
    // 念のためのチェック
    return
}

guard let text = targetView.text else {
    // テキストが取得できない場合、終了します。
    // 念のためのチェック
    return
}

// 1. キャレットの現在位置を取得します。
let current = getCurrent(targetView, range: range)

// 2. キャレットがどの行にあるかチェックします。
//    enumerateLinesメソッドで取得される文字列に改行文字は含まれません。
//    全行をチェックし、各行の行頭の位置と行末の位置を求め、
//    キャレットの現在位置がその範囲にあれば、その行を対象行としています。
var first = true // 先頭行のみ処理するフラグ
var trail = 0    // 行末位置
var done = false // 対象行の処理が完了したことを示すフラグ
var linePos = 0  // 対象行での位置
var offset = 0   // オフセット
text.enumerateLines() { (line, stop) -> Void in
    let lead: Int // 行頭位置
    if first {
        // 先頭行の場合
        // 行頭位置を0に設定します。
        lead = 0
        first = false

    } else {
        // 行頭位置を前行の行末位置+改行文字分に更新します。
        lead = trail + 1
    }

    // 行の文字数を取得します。
    // characters.countは現在deprecateのためそのうち修正します。
    let count = line.characters.count
    // 行末位置を更新します。
    trail = lead + count
    if lead <= current && current <= trail {
       // 3. キャレットがある行の場合
        //   完了フラグをセットします。
        done = true
        // 対象行での位置を求めます。
        linePos = current - lead
        // 対象行での行末-現在位置をオフセットとして設定します。
        offset = trail - current

    } else if done {
        // 4. 完了フラグがセットされている場合
        //    対象行の次行の長さを取得します。
        let lineLen = trail - lead
        if linePos <= lineLen {
            // 対象行での位置が次行の長さより短い場合
            // オフセットに対象行での位置+改行文字分を追加します。
            offset += linePos + 1

        } else {
            // 対象行での位置が次行の長さより長い場合
            // オフセットに次行の長さ+改行文字分を追加します。
            offset += lineLen + 1
        }
        position = targetView.position(from: range.start, offset: offset)
        stop = true
    }

    // 5. キャレットをオフセット分移動します。
    guard let pos = position else {
        return
    }
    targetView.selectedTextRange = targetView.textRange(from: pos, to: pos)
}

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3. おわりに

今回でPWEditorに実装したキャレットの移動処理の紹介は終わります。
今回の処理を考えるのが一番大変でした。

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詳解 Swift 第4版

詳解 Swift 第4版

紹介している一部の記事のコードはGitlabで公開しています。
興味のある方は覗いてみてください。

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