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C++/CLIで別スレッドの処理を行う。

この記事は2018年08月17日に投稿しました。

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目次

  1. はじめに
  2. 別スレッド処理
  3. おわりに

Microsoft Visual C++/CLI Step by Step (Step by Step Developer) (English Edition)

Microsoft Visual C++/CLI Step by Step (Step by Step Developer) (English Edition)

1. はじめに

こんにちは、iOSのエディタアプリPWEditorの開発者の二俣です。

今回は業務で使用しているC++/CLIの話です。
時間のかかる処理をUIスレッドから直接行なうと、その間画面側の処理が固まってしまいます。
こういった場合、時間のかかる処理は別のスレッドで行うのが定石です。
今回はC++/CLIで別スレッドの処理を行う手順の説明です。

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2. 別スレッド処理

C++/CLIで別スレッド処理を行うには以下のような手順になります。 1. 別スレッドで行う処理のメソッドを用意します。 戻り値、引数ともにvoid型にします。 2. ThreadStartデリゲートのコンストラクタの第2引数に、1で用意した別スレッドで行う処理のメソッドを指定して、ThreadStartオブジェクトを作成します。 3. Threadオブジェクトのコンストラクタに、2で作成したThreadStartオブジェクトを指定して、Threadオブジェクトを作成します。 4. 3で作成したThreadオブジェクトのStartメソッドを呼び出し、別スレッドの処理を開始します。

実装例

  • ExecThreadメソッド(メソッド名は任意です)に別スレッドで行う処理を記述します。
  • StartExecThreadメソッド(メソッド名は任意です)で別スレッドの処理を開始します。 別スレッドで処理を行いたいタイミング(実行ボタン押下など)で、StartExecThreadメソッドを呼び出してください。
using namespace System;
using namespace System::Threading;

ref class SampleForm
{
private:
    /// 別スレッドを開始します。
    void StartExecThread()
    {
        ThreadStart^ start = gcnew ThreadStart(this, &SampleForm::ExecThread);
        Thread^ thread = gcnew Thread(start);
        thread->Start();
    }

    /// 別スレッドで行う処理です。
    void ExecThread()
    {
        // 別スレッドで行う処理を記述します。
        // ただしUIを操作する処理は、そのまま記述するとクラッシュします。
        // 別スレッドでUIを操作する処理の記述方法は、後日説明します。
    }
};

API Reference
ThreadStartデリゲート
Threadクラス
Thread.Startメソッド

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3. おわりに

今まで経験のあるAndroid、iOSアプリでも時間のかかる処理はUIスレッドではなく、別スレッドで行うことは知っていました。
そのためC++/CLIでも見当をつけて調べられました。

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興味のある方は覗いてみてください。

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